インド - パキスタンインドからパキスタンまでです。日本に帰って現像してみると、パキスタンに入ってからの写真が急激に少なくなってました。特に人と撮った写真はほとんどないのです。 景色ばかり。 パキスタンでは基本的に女の人を写真に撮ることは出来ず、そのために女の人がいるときはカメラを向けることは出来ませんでした。 それと、景色を撮るつもりでも女の人がいれば勘違いをされる恐れもあったので、撮れませんでした。 本当のところ、カメラを持って歩くのが面倒になってきただけかもしれませんが・・・。 ブログに書いた文ではなく、持参した日記帳に書いた文をそのまま載せます。 誤字脱字があると思いますがあしからず。 5/5 ルンビニ - バイラワ・スノウリ - ゴラクプル 朝、ルンビニからバイラワへバスで向かう。今日でネパールを出て、いよいよインドへの入国。 産まれて初めての陸路での入国は意外とあっさりだった。インド側の国境で両手を挙げたら拍手をしてくれたおじさんがいて、なんとなく気分を高めた。 インドのイミグレーションがどこにあるのか分からない位に辺りの店と同化していて面白い。 ゴラクプルまでのバス代と、両替でさっそく50ルピー程ぼったくられてインドのせんれいをあびる。 ゴラクプルについたのが夕方5時頃で、早速デリーまでの電車チケットを買う。 デリー行きの電車は10:50発。それまでかなり時間があるので駅前で座っている。 ちょっとお金を持っていそうなスーツ姿の人、駅前で客を待つリキシャの連中、旅行者らしいバッグを持つ人、サドゥー、足を怪我した犬、ゴミをあさる牛、寄ってきてお金を求める子供たち、俺。いろんな人が駅前に集まっている。 寝台列車でデリーへ向かう。窓から入る風が気持ち良い。 BREEZE IS NICE. 5/6 ゴラクプル - デリー デリーに到着。めちゃくちゃに暑い!! 1ヶ月前にデリーに来た時よりもかなり暑い。 スイカ、パイナップルジュース、さとうきびジュース、コーラ、スプライト、アイスクリーム、大量の水と、水分ばかりとっている。 これから先、インド旅が思いやられる。 5/7 デリー 明日アムリトサルに行くことにしたので午前中チケットを購入。1000Rs以上とかなり高いやつ。 今日も朝からコーラやらスイカやら水分を・・・。 マックを食べるためにコンノートプレイスへ行くとおじさんが「どこ行きまんねん」と一言。 インド人のその言葉に爆笑し、出されたノートを見ると興味のある内容が。 「このおじさんは耳かきチャンピオンです」「最高に気持ちいいです」と書いてある。 100Rsで両耳をやってもらう。・・・・最高に気持ちよかった。 その後食材を探しにカーンマーケットというところへ。 なんだか高級品ばかり置いてありブランド品まで。 気分もセレブになりかなり高い食事をすることにした。これがまためちゃくちゃにうまい!日本で食べるよりもうまい様なパスタとコーヒーをいただいた。 これが約250Rsこっちの物価ではかなり高めだが、600円程度でこれが食べれると思うと悪くない。 5/8 デリー - アムリトサル デリーからアムリトサルに電車で移動、約6時間かかった。 さすが高いチケットだけあって超豪華。朝食やティーサービス、ジュースのサービスもあった。 アムリトサルはシク教徒の街。シク教と最大の寺、ゴールデンテンプルがあり、そこにある巡礼宿に泊まった。 外国人専用の場所もあり、全200以上の部屋があるらしいが、廊下やホールまで人があふれていた。 ゴールデンテンプルは名前の通り金で出来ている。 みんな熱心に巡礼していた。 アムリトサルの人はみんな優しいように感じる。デリーから来たので余計感じるのかもしれないけど。シク教徒の人はとても優しい気がする。何を聞いても、困っていることがあっても、ていねいに教えてくれる。 インド人=ターバンがうそならば、ターバンの人=怖い人というイメージも全くのうそな気がする。体格のよさ、ひげ、ナイフというのが怖さをイメージさせるのだろうか。映画やテレビで作られたイメージもあると思う。 夜、ライトアップされたゴールデンテンプルを見ていると、巡礼に来ていた少年たちに話しかけられた。 旅行中によくあるように、写真を撮ってくれと言われ、数枚撮り、去ろうとすると一人の少年が「俺一人で撮ってくれ」と言った。 と、これも旅行中によくある話。 それを困りながら断ったら横にいたおじさんが少年に襲いかかり、殴りかかった。止めに入ってもおさまらない。よっぽど怒っていた。 少年がしつこく旅行者に構っていたからだろうか。 結局はっきりした理由は分からなかった。けど俺が関係していたことは確実。 様々な文化、宗教、人種、民族がいてそれぞれに決まりがある。旅行者だという事実に甘えず理解しなければいけないことは分かっているけれど、おろそかになっていたのでは。反省。 5/9 アムリトサル - ラホール - ラワールピンディ いよいよパキスタンに入国。イスラム圏初入国。 そして人生2度目の陸路での国境越え。 インドとパキスタンのボーダー、ワガボーダーはかなり閑散としていて、ネパール - インドのボーダーとは大違い。イミグレーション自体は何も問題なく、むしろ和やかな感じにあっさり通った。 が、パキスタン側に立つ緑色の国旗がなんだか物々しさを感じさせた。 周りは芝を刈るおじさんや、鳥の鳴き声が聞こえたりのんびりした雰囲気なのに、その緑色一点だけに物々しさを感じるのは、やはり先入観なのだろう。 ボーダーからラホールまでのバス、前と後ろで男女が分けられていた。イスラム圏であることを実感。 なんだか何が許されて、何が許されないのかがよく分からない。 外を見ると顔を隠す人、そうでない人がまちまちのようだ。 女の人にいきなり話しかけるようなことはなさそうだ。 と思いきや、ラホールの駅にはマックもあるし、そこでは男女関係なく働き、会話もしていた。 よく、イスラム圏の人は旅人に対して優しい、と聞くが確かにそれを感じた。 みんな親切に教えてくれるし、ラワールピンディまでの電車ではしつこいポーターから助けてもらった。 ラワールピンディでもみんな優しい。 この優しさに甘えてしまいそうなくらい。 でも昨日のこともあるし、気を引き締めなければいけない。 ラワールピンディは想像以上の都会。 物はあふれ、定価で売っている。 ピカピカな車がいっぱい走っている。 物が定価で売っていることに都会を感じる自分がちょっと面白い。 5/10 ラワールピンディ 今日は1日ラワールピンディでゆっくりと過ごした。 ここはめちゃくちゃに飯がうまい。そして日本の味に近い。 朝起きて食べに行ったのが歩き方にのっていたレストラン。チキンがうまい、とう言葉にそそのかされて行った。 野菜カレー、チキン、ナンも日本で食べるのよりもレベルが高い。そして安い!全部食べても110ルピー程度。夜もまた行ってしまった。 明日フンザまで行くことにした。 ギルギットに泊まってフンザに行く予定だったけど、直接フンザまで行けることを知ってそのバスのチケットを買った。 5/11 ラワールピンディ - フンザ行きバス ラワールピンディからのバス、NATCOは政府のバスらしくエアコンもついていて立派。多少高いけれど24時間以上バスに乗ると思うとそれくらいの方がいいのかもしれない。 バスの中からの景色は最高。 この前の電車といい、パキスタンに入ってからの景色には驚かされる。 5/12 フンザ到着 昨日、ラワールピンディを出発したのが夕方の4時でフンザのホテルに着いたのが夕方6時過ぎ。26時間の移動で少々ぐったり。 長いバス旅だったけど、景色は素晴らしすぎるほど素晴らしかった。 バスの中の人たちも優しく、旅で出会った人たちがパキスタンをすすめるのが分かる。 風の谷フンザ、桃源郷フンザ。何度も話に聞いていて、世界でもっとも行くのが夢だった、あこがれの場所。 とうとうやってきた。しばらくここにいようと思っている。 着いたのが遅かったのでまだあまり景色を見ていないし、歩き回ってもいないけど、ここにバックパッカーが集まるのはよく分かる気がする。 5/13 フンザ フンザは本当に素晴らしい。何もしないでも時間が過ぎていく。なんと贅沢な生活をしているのだろう。 別にフンザにいるからそう思う、のではないかもしれない。 旅に出た時点で感じていることだと思う。 もしかしたら旅人ほど贅沢でいい生活をしている人はいないかもしれない。 お金はないしきたない生活かもしれないけれど、でも、自分のことをいい生活をしている、と思えるのは旅人以外そういるものではないと思う。 旅人が旅をしているあいだ、やることのほとんどは「自分のため」。 友達のためでも、家族のためでも、国のためでもない。 1日24時間という時間は全部自分のために使える。 自由ってこういうことなのかな。 5/14 フンザ いろいろなことに運命を感じることはあるけれど、人と人との出会いほどそれを感じることはない。 澤村君とヒデがネパールのローチェベースキャンプで会って、同じテントで過ごしたそうだ。 俺が澤村君と会ったのはベトナムで、たまたま同じ日に同じホテルに泊まっていたから。 ヒデと会ったのは去年のネパールワークキャンプ。 その二人がローチェB.C.で会う、しかもお互いは俺の知り合いだとは知らず。 不思議だ。面白い。 さらに、藤原夫妻と2ヶ月ほど一緒に旅をしていたというケンさんとここフンザで今日、出会った。 5/15 イーグルネスト フンザの中心、カリマバードから2時間ほど山を登った所にあるイーグルネストへ行った。 標高が高いせいか、山を登るのにやたらと息が切れる。いや、ただの運動不足かもしれない。 しかし、辛かった分だけイーグルネストから見るフンザの姿は綺麗だった。 ここから空を飛んで村に下りたらどれだけ気持ちいいかと本気で思った。 ナウシカになりたい。 5/16 フンザ ここは物価がものすごく安い。フンザで1日5ドル使うのは難しいよ、と聞いてはいたが本当にそうだ。 ここにある安宿は他の場所にはない独特のシステムがあって、どの宿にも夕食がついている。それが普通のレストラン形式ではなく、日替わりメニューの夕食。 しかも時間が決まっているので、夕食の時間になると泊まっている人たちは一斉に机を囲んで夕食をとる。 なんだか合宿所みたい。 食べるか食べないかは自由で、他のホテルに行って食べることも出来るので面白い。 これがどこの宿もだいたい50ルピーで、ドミの相場が50ルピーだから1泊料金と夕食の値段がかわらない。 他に朝、昼飯、おやつ、乗り物代、いくら使っても1人200~300ルピーで充分。 トレッキングだって散歩だって、ただ。 それで充分。 5/17 フンザ ハイダラバード フンザに来るときに一緒にタクシーに乗ったおっちゃんに「今度うちに来なさい」と言われて、アドレスを聞いていたので、おっちゃんの家に行くことにした。 ホテルの勝新さんに(フンザインというホテルのマスターは勝新太郎に似ている)アドレスを見せたら、「この住所はハイダラバードだ」と言われたので、歩いてハイダラバードへ。約30分。 タクシーでのおっちゃんは「この住所を見せればみんな分かる」と言っていたのに、ハイダラバードの皆は誰も知らず。 途中、ハイダラバードまで案内してくれた女の人の家へ行き、お茶をもらう。 しょっぱい・・・。 お茶に塩を入れるのは普通のことだと言うけれど、なれない。一言言わせてもらうと・・・絶対塩よりも砂糖の方がうまいって。だってお店のお茶で塩 入れるところないじゃん。 ネパールでもミンの家は塩入れていた・・・。にしてもしょっぱい。 その家でお土産にアプリコットをもらい、他の人にたずねるために出発。 KKHに出て、歩いている少年に住所を見せると、あっさり「僕のお父さんだよ」と。ラッキー。すごい運だ。 少年の家に到着するとおっちゃんが迎えてくれて、しっかり憶えていてくれた。 にしてもでかくて立派な家だ。ゲスト用の部屋まである。 庭も広くていろんな果物がきれいに植えられている。 お茶やパン、ハチミツをいただく。そしてここでもアプリコットをお土産にもらってホテルに戻った。 こういう出会いって素敵だな。 夜、フンザ一の高級ホテル、ダルバールフンザの中の中華料理を食べた。 フンザパニも飲んだ。(パキはイスラム国家で禁酒。でも高級ホテルなど一部では公に酒を売っていて、フンザパニはフンザの地酒。) ウエイターに「今日オーナーいないから、1泊4000Rsを500Rsにしてあげる」と言われ、調子に乗ってそのまま泊まることにした。 今泊まってるフンザインに比べれば相当高いけど、フンザ1番の高級ホテルに500Rsで入れると思えば安い。 しかもバスタブ付き!これでインドの安宿とほぼ同額!! ・・・結局お湯が出ず、バスタブにはつかれなかったけど。 5/18 パスー 数日前から寝坊して行けなかったパスー村へ行った。アリアバードまで下りて、そこからミニバスで約2時間。 カリマバードとはまた違った、しかし素晴らしい景色だ。近くにはパスー氷河が見え、山と山の間を流れる川もすごい。 近くにあったちょっと有名なレストランで昼食とデザートを食べ、、カリマバードへ戻ることにした。 しかし・・・。KKHにはバスはおろか、車一台通らない。人に聞いても「君がラッキーマンなら帰れるかもね。明日の朝なら車来るから、今日は泊まっていきなよ。」と。 でも今日はなんとなく、帰りたかった。連日ホテルで夕食を食べてないので、なんとなく申し訳ない気がしていたから。というわけで、路上でひたすら車が通るのを待つことに。 来ない、来ない、来ない・・・・寒い。 車が通ってもカリマバードに行く車はない。 待ち続けること1時間。軽トラックのような車をつかまえ、荷台に乗せてもらうことに成功した。運転手は、周辺の村の開発に関わっている人のようで、いろんなところに寄っていく。とっても親切な人だ。 そして、荷台からの景色が素晴らしすぎる。 トラックの荷台、というシチュエーションも加わって、最高に気持ちがいい。 でも手足がしびれて動かなくなるくらい、寒い2時間だった。 体が冷えて熱が出そうだ。 5/19 フンザ 昨日のトラックで冷えたから熱が出るかと思ったけど、大丈夫だった。 今日は外が曇っている。 本を読み、景色を見てのんびり過ごした。 5/20 フンザ - ギルギット 10日以上いたフンザ、カリマバード。 今日出発することにした。 話に聞いていた通り、素晴らしい場所だった。 この10日間、アクティブに動き回るよりものんびりと過ごすことが多かった。 でも俺にはそれで充分に感じた。 トレッキングもしてはみたかったけど、それはそれでいい。 本当に良い、素敵な10日間だった。 こうやってのんびり日々を過ごすことは旅から戻ったらしばらくできない気がする。 アメリカ人の彼と一緒にギルギットへ。 ギルギットはフンザとは全く様子が違って物々しい。 アーミーと一般人の数が同じくらいいるのではないか。 機関銃をのせた車もたくさん。 うちらに対する視線もフンザとは大違い。 5/21 ギルギット 続く・・・。ギルギット、チトラルへ・・・。 |